太陽光発電のPPAモデルとは?仕組みからメリットまで詳しく解説 近年、企業の脱炭素経営への関心の高まりとともに、初期費用ゼロで太陽光発電を導入できる「PPAモデル」が注目を集めています。

しかし、「PPAモデルとは具体的にどのような仕組みなのか?」「どのようなメリットがあるのか?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、太陽光発電のPPAモデルの基本的な仕組みから、導入によって得られるメリットや注意点、導入事例まで解説します。

 
太陽光発電のPPAモデルのご導入
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■目次
  まとめ
 

太陽光発電のPPAモデルとは?

PPAモデルとは、太陽光発電システムの導入方法の一つです。「Power Purchase Agreement(電力販売契約または電力購入契約)」のアルファベットの頭文字からPPAモデルと呼ばれます。

初期費用や定期的なメンテナンスにかかる費用を抑える方法として、近年、企業が太陽光発電を導入する際に利用されることが多いことが特徴です。ここでは、太陽光発電のPPAモデルの仕組みやほかの導入方法との違い、種類について解説します。

 

PPAモデルの仕組み

PPAモデルは、企業や自治体などが初期費用やメンテナンス費用を負担することなく太陽光発電システムを導入できる方法です。

具体的には、企業や自治体が建物の屋根や敷地などを発電設備の設置スペースを提供し、その代わりにPPA事業者がシステムの初期費用や維持管理費用をすべて負担する仕組みです。

設置側の企業や自治体は、発電した電気を市場価格より安く利用できるため、電気料金の削減が可能です。なお、利用しきれなかった電気(余剰電力)については、契約期間中はPPA事業者が売電を行う仕組みとなっています。

ただし、契約期間が終了すると、設置されていた太陽光発電システムは無償で譲渡され、その後は発電した電力を自由に利用できるほか、余剰電力を自ら売電して収益化することも可能です。


 

ほかの導入方法との違い

太陽光発電を導入する方法には、大きく分けてPPAモデルを含め3つあります。
 
  • PPAモデル
  • 自己所有型
  • リース

それぞれ初期費用や維持管理の負担、発電した電気の取り扱い方、設備の自由度といった点に違いがあります。各方式の概要と特徴は、以下の通りです。


 
PPAモデル 自己所有型 リース
概要 企業や自治体が設置スペースを提供し、導入側は発電された電気を安価で購入するモデル 企業や自治体が太陽光発電システムを自ら購入するモデル リース会社が購入した太陽光発電システムを一定期間借りるモデル
初期費用 不要 自己負担 不要
維持管理の費用 不要 自己負担 不要
月額利用料 かからない かからない かかる
発電した電気の使用料 必要 不要 不要
売電の可否 できない できる できる
設備の変更 (自由に設備の交換や処分はできるか) できない できる できない


PPAモデルは初期費用・メンテナンス費用ともにかからない代わりに、発電した電気の使い道や設備の管理の自由度が低い傾向があります。

自己所有型は、コストはかかるものの、発電した電力を自由に利用・売電でき、設備変更の自由度も高い点が特徴です。

リースは月額費用の支払いは必要ですが、発電した電気を自由に利用・売電できます。ただし、PPAモデルと同様に設備の所有権は太陽光発電システムの提供会社にあるため、交換や処分といった設備の変更には制限があります。

 

PPAモデルの種類

PPAモデルは、太陽光発電を設置する場所によって、以下の2種類に分けられます。
 
  • オンサイトPPA:敷地内に設備を設置
  • オフサイトPPA:敷地外に設備を設置

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

オンサイトPPAとは


画像引用:環境省「再エネ調達のための太陽光発電設備導入について」

オンサイトPPAとは、太陽光発電システムをPPA事業者が、電気を使用する企業や自治体の「敷地内」に設置する方法です。具体的には、工場や倉庫の広い屋根上、または敷地内の遊休地などに設置されます。

発電された電気は、設置場所を提供した企業などがPPA事業者から安価で購入し、自家消費することが可能です。これにより、電力コストの削減と再生可能エネルギーの利用を実現できます。

 

オフサイトPPAとは


画像引用:環境省「再エネ調達のための太陽光発電設備導入について」

オフサイトPPAは、太陽光発電システムを企業や自治体の「敷地外」に設置するモデルです。敷地内に十分な設置スペースがない場合でも太陽光発電を導入できます。

ただし、オフサイトPPAの場合、発電された電気を敷地外の発電所から使用場所まで送るために、「自営線」と呼ばれる専用の送電線を敷設する必要があります。この自営線の設置費用や維持管理費用、および利用料が発生するため、その分電気代が高くなりやすいです。

導入を検討する際は、敷地内外のコストやメリットを総合的に比較検討することが重要です。
 
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太陽光発電のPPAモデルのメリット

PPAモデルは、企業や自治体が太陽光発電システムを導入する上で多くのメリットがあります。初期費用やメンテナンス費用がかからないだけでなく、電気代の削減や環境負荷の低減にも貢献できるため、持続可能な経営を目指す際に有効です。

ここでは、太陽光発電のPPAモデルを導入する主なメリットについて詳しく解説します。

 

初期費用とメンテナンス費用が無料

PPAモデルのメリットの一つは、太陽光発電システムの導入の初期費用やメンテナンス費用がかからないことです。

通常、設備を購入して導入する場合、1kWあたりの平均値は22.01万円(※)とされています。例えば、10kWの出力を持つ太陽光発電システムを導入する場合、約220万円の初期費用の準備に加え、メンテナンス費用や故障時の修理費用も必要です。

これに対し、PPAモデルではPPA事業者側がすべてを負担するため、導入企業は電気料金を支払うだけで済みます

さらに、契約期間終了後には設備が無償で譲渡される仕組みとなっているため、長期的には自社の資産として活用できるメリットもあります。

また、設備を購入するわけではないため、資産計上や減価償却といった経理処理の手間も軽減することが可能です。

※2024年度に屋根に設置された10kW以上の事業用太陽光発電システムの費用
※出典:太陽光発電について

 

電気代を削減できる

太陽光発電を導入する大きなメリットの一つが、電気代の削減です。

PPAモデルを通じて太陽光発電で生み出された電気は、従来の電力会社から購入する電気とは異なり、「基本料金」「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」「燃料調整費」といった費用が発生しません


 
基本料金 電気の使用量に関わらず毎月固定で請求される費用で、契約容量に応じて企業の固定コストとなります。PPAモデルで自家消費する電気にはこれがかかりません。
再エネ賦課金 再生可能エネルギーの普及を目的とし、使用電力量に応じて全国一律単価で電気代に上乗せされる費用です。再エネ賦課金が始まった2012年度は、従量制で当時0.22/kWh(※1)でしたが、2025年度は3.98/kWh(※2)と年々増加しており、企業の電気代負担を大きくしています。PPAモデルによる自家消費分にはこの賦課金がかかりません。
燃料調整費 火力発電に使う石炭や天然ガスなどの燃料価格変動を電気料金に反映させる費用です。燃料価格が高騰すれば、電気代に直接影響します。PPAモデルで自家消費する電気はこの変動リスクから解放されます。

さらに、PPAモデルを導入した場合、発電した電力を通常の市場価格よりも安く購入できる点もメリットとなります。

つまり、「一部の付帯料金が不要になる」という効果に加えて、「電力そのものを低価格で調達できる」という二重の効果があるため、電気代を削減することが可能です。

実際どのくらいの効果があるかを、『鈴与のソーラー』をご契約いただいた場合の試算をもとにご紹介します。

発電容量10kWの太陽光発電を導入した場合、年間60万円かかっていた電気料金が53万円にまで減少し、年間で約7万円のコスト削減が可能です。

これを15年間継続すると、累計で約105万円もの差が生まれる計算になります。さらに、鈴与の電気を一緒にご利用いただくことで、より一層の削減効果が期待できるでしょう。



(※1)
再エネ賦課金の疑問に答える | 連載コラム | 自然エネルギー財団
(※2)
再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2025年度以降の買取価格等と2025年度の賦課金単価を設定します

 

地球環境の保護に貢献できる

太陽光発電は再生可能エネルギーの一種であり、電気を使用する際にCO₂を排出しないという特徴があります。

さらに、発電プロセスで発生するCO₂排出量も、石炭火力やガス火力といった化石燃料による発電と比べて大幅に抑えられるため、地球温暖化の主因とされる温室効果ガス削減に直結します。

PPAモデルを活用して太陽光発電を導入することで、持続可能な社会の実現と地球環境保護に貢献することが可能です。

企業にとってこのような環境配慮の取り組みは、ESG投資家からの評価向上や、取引先・消費者に対する環境配慮のアピールにつながります。結果として、企業のブランドイメージ向上や企業価値の強化といった副次的なメリットも享受できる点が、大きなメリットといえるでしょう。


 

太陽光発電のPPAモデルの注意点

太陽光発電のPPAモデルを導入することには多くのメリットがある一方で、導入を検討する際にはいくつかの注意点も存在します。これらの注意点を事前に理解しておくことで、予期せぬトラブルを避け、よりスムーズで効果的なPPAモデルの導入・運用が可能になります。

ここでは、PPAモデルを導入する際の注意点を具体的に解説します。

 

長期契約で途中解約はできない

PPAモデルの契約は、初期費用を事業者が負担する仕組みであるため、契約期間が10~20年と長期に設定されることが一般的です。この長期契約により、PPA事業者が設備費用を回収する仕組みを確保しています。

そのため、契約を締結すると、原則として途中解約はできません。契約期間が長くなることを踏まえ、以下の点を確認しておくことが重要です。
 
  • 電力需要の変動や事業環境の変化に対応できるか
  • PPA事業者のサポートは安心できる体制か
  • 信頼できるPPA事業者であるか(PPA事業者が倒産すると電力の供給に支障を及ぼす可能性があるため)
  • 太陽光発電を設置する敷地の利用と将来性に問題はないか

途中でPPA事業者の変更はできないため、導入前には慎重な検討が求められます。

 

導入には条件や審査がある

PPAモデルを導入する際には、契約を締結するための条件や審査があります。設置予定の敷地が太陽光発電に適していない場合や、経営状態が不安定な場合には、契約自体が成立しないこともあります。

そのため、導入を検討する際には、条件や審査基準を事前に確認し、必要な準備や対策を講じておくことが大切です。

 

契約満了後は自社でメンテナンス管理が必要

一般的に、PPAモデルの契約満了時には太陽光発電システムが無償で譲渡されます。ソーラーパネルは出力保証年数が20~30年と長いため、譲渡後も継続して使用可能です。

発電した電力の自家消費分への電気代がかからない上に、余剰電力を売電して収入を得ることも可能になります。

ただし、システムの所有者が自社へと移るため、それまでPPA事業者が行っていたメンテナンスや管理業務を自社で行う必要があります。定期的な点検、清掃、故障時の修理など、維持管理に費用が発生します。

PPAモデルのメリットを最大限に享受するためにも、譲渡後のメンテナンス費用を見込み、計画的な管理体制を構築しておくことが重要です。

 

太陽光発電のPPAモデルを導入した事例

PPAモデルは初期費用ゼロで再生可能エネルギーを導入できることから、多くの企業や自治体で採用が進んでいます。実際にPPAモデルを導入し、電気代削減やCO₂排出量削減などのメリットを享受している事例も多いです。

ここでは、鈴与商事でPPAモデルを導入されたお客様の声をもとにした事例を3つご紹介します。

 

【事例1】事業環境を変えずに光熱費の削減をめざして


■「鈴与ケアサービス株式会社 デイサービスセンターいはら」

まずは、事業環境を維持しつつ光熱費削減を目指す「鈴与ケアサービス株式会社 デイサービスセンターいはら」が「太陽光無償設置サービス」を導入した事例をご紹介します。

同社が導入を決めた理由は、サービス内容を変えずに昼間の電気を太陽光で賄える点に魅力を感じたためだったといいます。

導入後は、電気代が月に最大10%削減される効果を実感。着実なコスト削減につながりました。

現在検討中の企業様には、「工事期間が短く営業活動への影響がないこと」「物価高騰に対するコスト削減効果」「初期費用なしでSDGsへの貢献ができる」という点をおすすめしています。

また、環境経営への取り組みが従業員のモチベーション向上にもつながりました。

 

【事例2】初期費用0円で太陽光発電を導入できる魅力


■「株式会社アブレイズ リハビリデイサービスセンターくさなぎ」様

初期費用0円で太陽光発電を導入し、環境貢献とコスト削減を実現した企業様の事例をご紹介します。

同社はもともと、クリーンエネルギーを活用した環境貢献に関心を持っていました。導入の決め手となったのは、初期費用が不要であることと、電気代・CO2削減シミュレーションで具体的なメリットが示されたことでした。

導入後は、予想を上回る電気代削減とCO2削減効果を実感され、環境経営への貢献も体感されているとのことです。さらに、施設職員の節電意識向上や、介護施設にとって重要な停電時の非常用電源としての安心感もメリットとなっています。

現在検討中の企業様には、初期費用ゼロで電気代削減と環境経営が両立できる点を、強くおすすめしていただいています。

 

【事例3】クリーンエネルギーを積極的に活用したい


■「清水銀行 袖師支店」様

持続可能な社会を目指す企業様が、鈴与のソーラーの「太陽光無償設置サービス」を通じて、クリーンエネルギー活用を実現した事例です。

同社では、サステナビリティ方針に基づき、持続可能な社会の実現や社会的課題の解決に向けた取り組みを進める中で、太陽光発電のクリーンエネルギーを事業運営に活用することに関心を持たれていました。

導入の決め手は、導入の決め手となったのは、地域の再生可能エネルギー普及を牽引したいという思いだったといいます。

現在検討中の企業様に対しては、地球温暖化対策の課題への貢献と新たな導入モデル(オンサイトPPA)による再生可能エネルギーの普及促進ができるサービスとしておすすめいただいております

 
PPAモデルの導入について
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太陽光発電のPPAモデルを導入する流れ

太陽光発電のPPAモデルを導入するまでの流れは、以下の通りです。

 
  1. PPA事業者を選び、問い合わせる
  2. ヒアリングでニーズを伝える
  3. PPA事業者からプランを提案してもらう
  4. 太陽光発電の設備を設置する現場の調査
  5. PPAモデルの契約を締結する
  6. 太陽光発電の設備工事
  7. 工事が完了したら、太陽光発電による電気が利用できるようになる

PPA事業者を選ぶ際は、複数の事業者を比較することをおすすめします。電気料金だけでなく、保守管理や契約期間なども比較して決める必要があるためです。

また、長期的な契約になるため、信頼できる事業者であるかどうかも重要なポイントです。

PPA事業者の選び方で悩んだ場合には、以下の記事もあわせてご覧ください。

PPA事業者を選ぶ際の8つのチェックポイントを詳しく解説>>

 

まとめ

本記事では、太陽光発電のPPAモデルの仕組みから導入メリット、注意点までを詳しく解説しました。

PPAモデルは、初期費用をかけずに再生可能エネルギーを導入し、電気料金の削減と脱炭素経営を同時に実現できる魅力的な選択肢です。環境意識の高まりやエネルギーコストの上昇が続く現代において、PPAモデルは企業の持続可能な発展に大きく貢献する可能性を秘めています。

鈴与商事のPPAモデルは、お客様の事業形態や電力使用状況に合わせた最適なプランをご提案し、初期費用だけでなく運用・保守まで一貫してサポートいたします。

これにより、お客様は複雑な手続きやメンテナンスの手間から解放され、安心して再生可能エネルギーの恩恵を享受できるでしょう。地域に根差したきめ細やかなサポート体制と、長年の実績に裏打ちされたノウハウで、お客様の脱炭素経営とコスト削減を強力に支援いたします。

PPAモデルの導入をご検討の際は、ぜひ鈴与商事にご相談ください。
 
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